ハウスオブクロノスイスの熟練職人の手作業で仕上げられる貴重な芸術的コレクション。 ギョーシェ彫やエナメル装飾などの伝統的なクラフトマンシップを体験してください。
時計用語辞典
テンプの1時間あたりの振り子運動の回数。「ビート」または「振動数」ともいう。機械式時計のテンプが左右にそれぞれ半回転するときに生じるのが、「チクタク」として親しまれている音。この2ビートがテンプの1回の振動に相当。
2本の針によって時刻を示す文字盤。時針と分針がそれぞれ動き、現在時刻を示す。
輪列とテンプの介在する2本の爪をもったレバーで、主ゼンマイのエネルギーをテンプに供給する。
着用者の腕の運動によって主ゼンマイが巻上げられる時計。腕の動きがローターを回転させ、それが主ゼンマイを巻き上げる。アブラム・ルイ・ペルレが1770年頃に発明。
付属のひげゼンマイとともに脱進機を調節・制御する部品。その精密な作りが時計の精度の決定に最も重要な役割を果たす。輪の形をしたテンプはまた、 一定の位置で平衡を保ちながら回転によって振り子運動を行う「振動輪」とも定義される。
古典的な時計ムーブメントの場合、テンプ振動数は1秒につき5ビー ト(1時間で18,000回)。現代の腕時計の場合、精度の向上を図るために、テンプ振動数は、19,800回/時、21,600回/時、28,800回 /時、36,000回/時へと増加してきた。テンプはあらゆる高級機械式時計に用いられている。
現代のグリュシデュール(銅とベリリウムの合金)製テンプ は、ヴィッカース硬度380の硬さを備える。この金属は、テンプに補正スクリューを加えたり、平衡を保つのに最適で精密な調整ができる。
機械式時計のまさに「魂」。このリボンのような細い金属のコイルがテンプの振り子運動を規則正しく制御する。ひげゼンマイの長さを変えることにより、テンプの振幅を調整することができる。
歯車の軸を差し込むために 高級腕時計や懐中時計は、歯車やカナなどの高速で回転する部品の軸によって生じる摩擦を最小限に抑えるために、この軸受 けに宝石がはめ込まれている。品質がそれほど高くない時計の場合、地板や受けに穴を穿つだけで宝石を用いることはない。
オイルが劣化したり適切な交換を怠 ると、この穴が広がる恐れがある。その場合、修理の手法を自ら進んで体得した有能な時計職人なら、真鍮や銅を埋めて穴を補修する。
風防をケース本体に固定するリング状の部品。通常はケースに圧しつけて固定するが、クロノスイスはそのほとんどがねじ込み固定方式になっている。
スチールの針に熱を加えて表面を参加させ、ブルーに発色させたもの。ダークブルーの色彩は摂氏290度から310度の熱で得られる。
ファセットを付けず、ドーム状に研磨仕上げした宝石。
リピーター、カレンダー、ムーンフェイズなどの付加機能を動かすモジュールを指し、通常は文字盤の真下に組み込まれる。
ムーブメントの形状やサイズを指す時計専門用語。特にムーブメントの種類を特定する際に使用される。また、ムーブメントの直径は「リーニュ」という単位でしばしば表現される。1リーニュ(1’”と書く)は2.256mmに相当。
ゴールドの合金において金が含まれる割合を表示する単位。カラットは24段階に別れ、限りなく100%に近い、いわゆる“純金”が「24K」で表さ れる。
時計のケースが18Kゴールドの場合、この合金は1000分の750が金、残り250が他の金属(銅、銀など)で占められる。ゴールドの純度を表示 するホールマークはケースの表面に刻印機で記される。
CETはCentral European Timeの略。
ドイツや中央ヨーロッパ諸国は、1893年4月1日にCETを導入。この時刻は、経緯ゼロ、すなわちイギリスのグリニッジを通る子午線を基 点とする平均太陽時を「世界標準時」と定める時間帯(グリニッジ標準時)より1時間先に進んでいる。
スチール製部品の縁の面取りは、高級時計によく見られる特徴。その作業は、パンタグラフのように工作機器で行う場合もあれば、部品の縁に手でヤスリをかけて仕上げる伝統的手法もある。面取りの角度は45度。
= 2本のクロノグラフ秒針を備えるスプリットセコンドクロノグラフ。クロノスイスではフライバッククロノグラフ(特許取得)も製作している。
スイスの公的な精度検査機関C.O.S.Cの15日に及ぶ試験に合格した高精度の時計。その平均日差は-4秒から+6秒の範囲に収まら
なくてはなら ない。また、日較差(deviation)は2秒を超えてはならず、最大日較差は5秒を超えてはならない。さらにクロノメーターの認定を受けようとするす
べての時計に摂氏20度、4度、36度、の3つの温度のもとでの検査が課せられる。時計が設定された精度基準を満たす場合、クロノメーターの称号を名乗る 権利が授与され、検査内容を記載した証明書(歩度証明書)が発行される。
世界で商標登録されているブランド名。
「Chrono」は機械式時計を、「Swiss」は、あらゆる部品がスイスで製造されていることを意味する。
アンクル、テンプ、歯車などの軸受けを組み込んだ部品。「足」と呼ばれるものにより、1点で支えられているものを「受け(コック)」、橋渡しされているものは一般的に「ブリッジ」と呼ばれている。
時計のゼンマイを巻き上げたり、針を合わせたり、日付表示などを調整するためのつまみ。
日付表示は、針を用いたアナログ式と、数字をプリントしたディスクによるデジタル式がある。針、ディスク、いずれの場合も一般的に31日で1回転す
る。毎日深夜の12時近くなると、日付送りの機構が働き出し、それらを1日先へと進める。通常の機械式時計の場合、31日より少ない月は手で修正を加える 必要がある。修正は、ケース側面に組み込まれたプッシュピースを押すか、リューズと日付送り機構を使って(早送りしたい場合は、時針を午後10時付近まで いったん戻し、次に深夜12時まで進める)行う。あるいはリューズに直接組み込まれている特別な早送り機構を使って進めることもできる。この場合、リュー ズを中間の位置まで引き出して回し、正しい日付まで進める。
ある日測定した日差と、その翌日同一姿勢で測定した日差との差。クロノスイスで認められる日較差の許容範囲は、0から+15秒。
数字形式によって表示される時刻。
時計の文字盤を保護する透明なカバーガラス〈通常は人工サファイア〉で、表面がカーブして盛り上がっているもの。
フランス語の専門用語で、脱進機と主ゼンマイの両方、あるいはいずれかを欠く半完成品のムーブメントを指す。
frz., Hemmung
素材の表面を保護または装飾するために、色彩のガラス素材または無色透明なガラス素材を塗り重ねる技法。科学的な点からすると、エナメルは、アンチ モニ、酸化ジルコン、二酸化チタンを混合して白い色を、あるいは色彩を生む物質を混合してさまざまな色を作りだした特殊なガラス。
ガラス質の物質は摂氏 1200度の熱で溶かし、次いで冷却される。その結果得られた粒に顔料と細かなエナメルのパウダーが混ぜ合わせられる。その後表面をきれいにした金属のプ レートの上に、刷毛塗りや、液体に漬けたり、噴霧などによってエナメルのパウダーを滑らかで均一に重ね、最後にこの金属のプレートを摂氏800度から 900度に保たれた特別な窯の中で加熱して仕上げる。
主ゼンマイのエネルギーは輪列を伝って脱進機へ運ばれ、さらに脱進機から時計の振動機構(テンプ、ひげゼンマイ)へと伝達される。脱進機はガンギ車 とそのカナ、2本の腕を持つレバー、アンクル・フォーク、振り座(振り石付きの大ツバとクレセントの付いた小ツバ)から成り、これがスイス式レバー脱進機 と呼ばれる。
機械式時計の脱進機の働きには、非常に厳しい要求が課せられる。例えば、テンプ振動数が28,800回/時の場合、脱進機は24時間で 691,200回も輪列を先に進めており、4年間では10億回以上に達する。これは人間の心臓の鼓動の6倍に相当する重労働をこなしている計算になる。
エタンシュはフランス語。表示されている防水性は、性能検査の時点での値を示したもので、その防水性が永続するわけではないことに注意。ケースを開 けるなど手を加えたり、パッキンなどの老化、極端な温度変化(例えば強い日光を浴びた後に水中に潜る)が加わると、防水仕様の時計でも水分がケース内部に 侵入するおそれがあり、修理には多額の費用を要することもある。1年に1度防水性の検査を受けることが望ましい。
時計の進み遅れを精密に調整する仕組み。この調整装置には、エレガントなスワンネック型や、オフセンター(エキセントリック)のスクリューを備える ものなどいくつかの種類がある。一般にこの精密緩急調整装置によって精度が向上すると考えられているが、それは誤りである。通常の調整装置(調整針)が時 計の歩度を厳密に調整するのに役立ちはするが、その作業にはきわめて精妙な指裁きが要求される。
現在の曜日、日付、月を表示するカレンダー。31日で終わらない月の場合は、手動で日付と月を調整する必要がある。
Häufig verwendete rippenförmige Dekoration auf den Brücken und Kloben feiner Uhren. Wird vor der galvanischen Veredelung aufgebracht, bleibt erkennbar. Genfer Streifen finden sich im Allgemeinen nur bei hochwertigen Uhren.
すべてのクロノスイスウォッチのケースバックはサファイアクリスタルのシースルー仕様。
グルシデュールは3%のベリリウムを含む銅の合金で、混合物により金色の色彩を放つ。自己補正ひげゼンマイの発明後、グルシデュール製テンプがバイ メタル補正テンプにとって代わる。単純なニッケルでできたテンプの色彩は銀色。
また、グルシデュールの硬さがヴィッカース硬度で380なのに対して、ニッ ケルは220、銅は180と低い。この優れた硬さのおかげで、グルシデュールは、テンプに補正スクリューを加えたり、平衡を保つのに最適で、精密な調整が できる。また磁気を帯びず、腐食もしない。).
ワールドタイム時計を指す。GMTはGreenwich Mean Time(グリニッジ標準時)の略で、経度0度の子午線がこの場所を通過する。世界の時間帯は24に分割され、GMTが基点になっている。例えば、ニュー ヨークの現地時間はGMTより7時間遅れ(-7)、オーストラリア・シドニーの現地時間はGMTより8時間進んで(+8)いる。
貴金属。きわめて高品質の時計の場合、テンプのリムの補正スクリューや受け石のシャトン、歯車、あるいはムーブメントがゴールドで作られる。
Unter Guillochieren versteht man das Anbringen verschlungener geometrischer Figuren und Muster auf Metall. Diese anspruchsvolle Technik basiert auf dem königlichen Handwerk des Kunstdrechselns, das im 16. bis 18. Jahrhundert in Europa vorwiegend dem Hochadel vorbehalten war. Findige Uhrmacher
entwickelten daraus hoch komplexe, nur durch Muskelkraf t betriebene Guillochiermaschinen zur Bearbeitung von Zifferblättern und Gehäusen.
Das aufwendige Verfahren, das heute nur noch wenige beherrschen, bringt eine subtile Formensprache und zudem eine ungemeine gestalterische Vielfalt mit sich. Für das Anbringen neuer, aber dennoch klassischer Guilloches auf Gehäusen, Zifferblättern, Werken und Rotoren benutzen die Handwerkskünstler eine handbetriebene Rundzugguillochiermaschine, wie sie auch im Chronoswiss
Atelier zu finden ist.
リューズを手で回してゼンマイを巻き上げる時計。
時刻や日付をはじめ、フルカレンダーや均時差、パワーリザーブなどを示すこと。
この秒針を備えるムーブメントは、秒針を駆動させる機構が輪列の外に設けられ、輪列を通る動力エネルギーが間接的に供給される。スモールセコンド付きキャリバーとして設計されたタイプによく見られる。
時計のムーブメントに用いられる、ルビーなどの貴石。
軸受けやアンクルなど、最も重要な部分の摩擦を最小限に抑えるためにセットされる宝石で、一般的に「石」と呼ぶ。時計のムーブメントに用いる石は、 世界的にルビーやサファイアなどの貴石が選ばれている。石には、歯車の軸受け石やテン真の受け石、アンクルの爪石、振り石などさまざまな種類がある。
石数 の多いムーブメントが必ずしも特別な高級ムーブメントとは限らない。それどころか逆の場合が多い。安価な時計にもかかわらず、ムーブメントの品質を優れた ものに見せかけるために、多数の石を使用していることを文字盤に謳ったものがよくある。しかしこのような時計では、本来の役割を果たすべき個所に石が適正 に配されている例は稀にしかない。
精密な手巻ムーブメントの場合、機能に必要な最低の石数は15個。歯車などの軸受けに10個、テン真の受け石2個、アン クルの爪石2個、振り石(ルビーのピン)1個である。さらに追加して18個とすることも可能。手巻より複雑な時計(自動巻、クロノグラフ、リピーター機構 付きなど)になると必要な石数も増える。
ステップ運針とは1秒毎に1回秒針がジャンプするように進む動きのこと。一方、機械式時計に見られるのはスイープ運針。例えば、1秒毎に5回針が進む。この場合の1回の動きは非常に小さい為、肉眼では秒針が流れるようにスムーズに進んでいるように見える。
時刻を表示するのに、時針ではなく、12時間に対応する各数字を記したデジタル式回転ディスクを用いる時計。60分の終わりにさしかかるごとにこのディスクが30度回転させる小さな機構があり、それによって文字盤に設けられた窓に次の時刻の数字が表示される。
「ムーンフェイズ」を参照。
主ゼンマイは、長くて弾力性に富み、渦巻き状に巻かれた金属の線で、機械式時計に必要なエネルギーを蓄えるために用いられる。香箱というケースの中 に収められた主ゼンマイは、完全に巻き上げられた状態でトルクが最大になり、解けるにしたがってそれが低下する。
トルクが徐々に減少していくと時計の歩度 に影響が表れる。自動巻機構の付いた腕時計では、主ゼンマイが腕の動きによってたえず巻き上げられるようになっている。この場合、主ゼンマイはほぼ一定の 状態で巻き上げられるので、トルクも比較的一定のレベルに保たれ、結果として時計の歩度の変化もわずかに抑えることができる。現代の腕時計の場合、主ゼン マイにニヴァフレックスと呼ばれる素材が最もよく使われている。このニヴァフレックスは特殊な合金で、弾力性とともに長期の使用にも壊れない頑強な性質を 備えている。
厳密に言えば、会社が最低でも1個のエボーシュを自社内で製造する場合に限ってその時計メーカーを「マニュファクチュール」と規定することができ る。時計産業の分野では、外部のサプライヤーから購入したエボーシュを完全なムーブメントに仕上げ、ケースに入れる産業を専門に行う会社は、一般的に「エ タブリスール」に名で知られる。
しかし、そのブランド専用として明確に作られたムーブメントをケースに組み込んでいる時計メーカーのように、この区分けに 当てはまらない例外的な存在もある。このようなムーブメントの例としては、以前エニカーで使われていた自動巻ムーブメント、クロノスイス・キャリバー C.122がある。また、さまざまなエタブリスールから注文を受けて開発、製造された標準的なキャリバーに改造を施したものもある。
ゼンマイから動力の供給を受け、テンプや振り子などの純粋に機械的な振動装置によって駆動する時計。
鉱物から作られ、時計のカバーガラスとして用いられる。モース硬度で5という硬さと人工ガラス(例えばプラスチック製のプレキシガラス)より傷が付きにくいという特性がある。ただし、強い衝撃を受けると粉砕しやすいという欠点もある。
月の相(満ち欠けの状態)を文字盤に設けられた窓から連続して表示する仕組み。
地板、受け、輪列、ステンレススチール部品等のみを含み、脱進機やテンプ、ひげゼンマイ、主ゼンマイ、文字盤、針などを欠いた状態の半完成品ムーブ メント。このブランク・ムーブメントは、要望に応じて軸穴に石をセットしたものとしないものを求めることもできる。
また、製造メーカーの定める品質基準に 従って仕上げが施されている。ブランク・ムーブメントの製造には莫大な設備を要するため、その開発と製作はごく少数の専門メーカーのみが行なっている。
テンプのひげゼンマイに用いる特殊な合金で、錆びず、磁気を帯びず、温度変化にもほとんど反応しない。
月相。月は太陽と月と地球の位置関係によってさまざまな相に変化して見える。月相は、新月、上弦、満月、下弦、新月という周期を繰り返す。この満ち欠けの1回の周期は約29.5日。
非常に希少で高価な貴金属。1gのプラチナを精製するのに300Kg以上の原鉱石が必要とされる。例えば、1gのゴールドなら、必要な原鉱石は 100Kgに相当する。プラチナの融点は摂氏1773度と高く、1063度のゴールド、960度のシルバーを遥かに凌ぐ。
またプラチナはジュエリーに用い られるあらゆる金属の中でも硬く重い。最もよく使われるプラチナは、非常に純度の高いPt 950の合金で、1000分の950(すなわち95%)が純粋なプラチナで占められている。プラチナ製ケースは18Kゴールソより約35%重量が重い。
姿勢は、時計の歩度を調整する際に重要な役割を演じている。懐中時計と違い、腕に着けられた時計はさまざまな姿勢を取りうる。懐中時計の姿勢は、一 般的に垂直(リューズ上)または水平(文字盤上)だが、腕時計の場合は5つの姿勢、すなわち「リューズ左」「リューズ上」「リューズ下」「文字盤上」「文 字盤下」で歩度調整が施される。クロノメーターとして設計された時計の場合、これらすべての各姿勢ごと公式の精度検査機関(C.O.S.C)の15日間に 及ぶ歩度の精度検査を受けなくてはならない。
主ゼンマイを完全に巻き上げた場合に、機械式ムーブメントが連続作動する最大の時間数。
時計のケースに用いられる貴金属には、ゴールド、プラチナ、シルバーがある。ゴールドは一般的に合金が使われ、純金の含有率が333/1,000 (8K)、 375/1,000 (9K)、575/1,000 (14 k) 、 750/1,000 (18 k)のように
千分率ないしカラット数で示される。その色は金に加える金属(例えば銅)によって決まる。21K、23K、24Kゴールドなどは、回転ロー
ターなどに使われる。950/1000という高品位のプラチナは、上品で控えめな色彩が高く評価されている。
チクタクと時を刻む時計は、機械装置の中で最も歴史が古く、最も精密なもの。公式に定められた規準から1日に30秒も誤差が生じる(1 日=86,400 秒)時計でさえ、単純計算では誤差率が0.035%にしかならない。
言い換えれば、この時計の精度は99.965%になる。公認クロノメーターの精度はは るかに高く、その誤差は完璧な規準から0.005%以内に抑えられている。
特定の機能を作動させたり、停止させたりするボタン。ヒンジ付きの開閉蓋を備える時計の場合、プッシュピースを押して蓋を開ける。クロノグラフのス トップウォッチ機能のスタート、ストップ、リセットもプッシュピースを押して行う。リピーターの場合は、プッシュピースをスライドさせてチャイムを鳴ら す。
かつて小型時計の調整や検査に用いていた精密な時計。オフセンターに配置された時刻表示のサブ・ダイヤルに特徴がある。
1から12あるいは1から31などの目盛りが付された円弧状の表示盤と、その上を往復運動する針によって時間や日付などを表示する方式。レトログ ラード方式の針は、目盛りの最後に達すると、瞬時にジャンプして最初の位置に戻り、再び前進を続ける。
このレトログラード運動を行うために、針はステップ を刻んだ螺旋状のカムに直接、あるいはレバーを介して取り付けられている。針が最後に達すると接点の一端がカムと連動し、針を再び最初の位置へと戻す。
自動巻時計の内部の軸に取り付けられた回転式の錘で、自由に回転しながら主ゼンマイを巻き上げる。この巻き上げ方式は、自動巻ムーブメントの種類に よって、一方向巻き上げ式/双方向巻き上げ式がある。回転ローターの軸は、ムーブメントの中心にある場合とオフセンターの場合がある。後者は「マイクロ ローター」「プラネタリーローター」とも呼ばれる。中心軸に配されたローターは、ムーブメント本体から独立し、全体を覆うようにして回転するが、オフセン ターのローターは、ムーブメントのプレート内に格納されている。
キズに強く透明な人工サファイアで、時計のカバーガラスに用いられる。硬さはモース硬度で9。これを凌ぐのは高度10のダイヤモンドしか存在しない。
1日の86,400分の1。1967年以降、セシウム原子の電子核における電子の振動数、9,192,631,770回に基づいて定義されるようになった。ドイツでは秒が時間計測の基本単位。
繊細で非常に壊れやすいテン真を損傷から保護する機構。テン真の軸受けとして可動式の受け石が示板側とテンプ受け側にセットされている。
そこに衝撃 が加わると、受け石が水平方向または軸に沿って動いて衝撃を吸収する。この機構を備える時計なら、理論上1mの高さからフローリングに落としても破損の危 険性は少ない。さらに、落下後の時計の歩度にも重大な誤差が生じにくい。
地板や受け、香箱、ローターなどをくり抜き、ヤスリで削り、彫金加工を施して透かし仕上げとし、ゼンマイ、歯車やテンプといった時計機能を司る上で 絶対に不可欠な部品を露わにしたムーブメント。このスケルトン加工により時計のメカニズムを目で楽しむことができる。高級時計の場合、加工は手作業あるい はパターンやパンタグラフを用いて一部自動で行われる。スケルトンには時計づくりの高度な職人技が体現されている。
鉄とニッケル、クロームの合金。腐食に強く、強靭で、非磁性だが加工が難しい。
小型時計向けのデタッチド脱進機で、ガンギ車のくさび状の歯と、アンクルの先端の宝石を配した2本の爪が噛み合ったり外れたりすることによって、エネルギーが運ばれ、歯車の速度が制御される仕組み。
文字盤やムーブメントに記されている「Swiss Made」の文字は、「スイス製腕時計」としての出所を明らかにするもの。最近、この言葉を文字盤に記して正当な製品であることを誇らしく謳った時計の中 には、必ずしもその名に値しないものもある。
このような時計は「Swiss Made」という言葉の使用を規定する法律が改訂されたことを利用したものである。「Swiss Made」とは、ムーブメントがスイス製で、その組み立て、ケース入れ、最終検査がすべてスイス国内で行われた場合のみにその表記が許される。
本物のスイ ス製ムーブメントとは、材料費の少なくとも60%(組み立て工賃は含まない)が実際にスイスで製造された部品で占められるものをいう。クロノスイスの時計 はすべて、品質を保証するしるしとしてこの「Swiss Made」が記されている。
クロノグラフの一部の製品には、文字盤にこの目盛りがあり、平均時速の計測ができる。計測を行うには、1kmまたは1マイルの距離を設定し、そこを 通過しなくてはならない。
一定の距離の始点(例えば高速道路のマイルポスト)でクロノグラフのスタートボタンを押し、1kmまたは1マイル通過したところ でクロノグラフを止める。このとき針が指す目盛り上の数字(km/h またはmph)がこの距離を通過した際の平均時速やマイルに相当する。
防水機能のある腕時計は、ケース、リューズ、プッシュピース、ガラスがすべて埃や水分の侵入を許さないよう作られている。3気圧は3 kg/cm²の圧力に等しく、水深30mの深さで時計が受ける圧力に相当する。防水時計は、気密性を確保するために1年に一度検査や必要な修理等を受ける のが望ましい。
グリニッジ標準時(GMT)を定める経度ゼロの地点から東または西に旅をすると、ローカルタイムは経度15度につき1時間の割合でGMTから進みま たは遅れていく。
このワールドタイムの方式は、1883年にカナダとアメリカで最初に導入された。ワールドタイム表示付きの文字盤では、ふたつ以上の時間 帯が示される。このような表示を行うために、1個の時計ケースに複数のムーブメントを入れたり、特別の付加機能を加えなくてはならない。
(フランス語で 「ウール・ユニヴェルセル」と呼ばれるワールドタイム時計の場合24の時間帯を同時に表示できる。)ワールドタイム時計が初めて作られたのは1930年 代。長距離飛行のパイロットや別の時間帯の地域に国際電話を頻繁にかけなくてはならないビジネスマンたちの間で人気を呼んだ。